NobodyInTokyo_1
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川崎歩ダンス作品「誰もいない東京」、両日共に沢山のお客様にご参加いただき、無事に終えることができました。来ていただいた方、また来れなかったけども見守ってくれた方、出演者の皆さん、長谷川さん、現代文明の素敵な御家族の皆さん、本当にありがとうございました。

今回の作品は、東京物語の映画の音声だけを流しながら、2時間16分の映像から振付に移植したものを、踊るものでした。
映画の音声の時間軸を、映像を想起しながら動くことで、映像身体がそこに現出するのではないか?という試みでしたが、結果はどうだったでしょうか?

ノート3冊分の振付は、作るのも大変でしたが、何より覚えるのがまた一苦労(身体を左右2分割して、別の振りにしてあるので更に)。
でも小津の映画を身体に落とし込んでいく作業は、なかなか楽しいものでした。小津の小道具や構図へのこだわり(フェチズム)は相当で、日本的な平面処理ではなく、西洋的な構図に人物をはめ込んでいってるようで、ルネサンス初期の絵画を思い出しました。また小道具のそこにある感が、やはり不気味で。鴨居にかけられた、洋傘や着物がなにかを常に物語そうにしている佇まいは、恐ろしく感じます。モノが語りだしそうな写真作品は、歴史の中に多々あるのですが、小津のすごいところは、そのモノの中に更に『動く』人物を同時に存在させたところかもしれません。

このあと、すべての振付を振付譜におこして、なんらかの形で公開したいと思っています。なにせ、東京物語自体も著作権が切れているので、それをもとにした振付もフリーにしたい。だれかが同じように映画を見ながら、この振付を家で踊ってみるというシーンを妄想しながら、振付譜を書いてみたいと思います。